折り返し通信
1. 閉域接続
企業が「インターネットに接続せず、社員が社内サーバにセキュアにアクセスできる仕組みを構築したい」と考えた時に、まず思い浮かぶのが閉域接続です。一般に、閉域接続を実現する手段は、①専用回線を敷設する専用線、②通信事業者のIP網を活用するIP-VPN、③インターネットを活用するインターネットVPNの3つに分けられます。
しかし、実は閉域接続を実現する手段は、上記3手段の他にもう1つあります。それが「折り返し通信」です。
2. 折り返し通信
折り返し通信とは、「SIMの設定だけで、インターネットに接続しない閉じたネットワーク(閉域接続)を実現する」手段です。
通常、閉域接続をする場合には、専用線であれば、専用の回線を敷設するために莫大なコストが、VPNであっても、データセンターにルータを設置する際の工事費・場所代等小さくないコストが発生します。
折り返し通信であれば、端末(及び場合によっては社内サーバに接続するルータ)にSIMを差すだけですので、セキュリティレベルを落とすことなく、格段に小さなコストで閉域接続を実現できます。
3. 活用シーン(分散型・緊急)
MVNO設備とお客様データセンターを有線で接続する場合の通常の閉域接続に比べ、通信速度に懸念点がありますが、それぞれの端末がある程度の情報を持ち合い、端末同士の通信が主体の「分散型」のシステムを構築する場合に折り返し通信がよく用いられます。
また、通常の閉域接続に比べ、極めて短納期での構築が可能のため、端末とデータセンター/クラウド間の通信がメインの「一極集中型」システムであっても、
  • 一週間以内に閉域接続を実現したい
  • テスト環境のため、低コストで閉域接続を実現したい
といった場合にも、折り返し通信が有効です。